シチリアでの小さい発見


 ①喧嘩の出火温度の高温っぷり

  私が滞在しているホームステイ先は19歳と11歳の男の子がいる。
 マンマが一人で育てている。
  
  夜ご飯の時間に11歳のDaniello(ダニエロ)とお母さんがはなしているかと思うと
  一人ひとりの言ってる文章がおもむろに長くなり始める。どのくらいかというと

  チウナブカーットタリエッテッラケチリテッイェラッサトリエテーッレトッレンダッタンティ
  オオオラドベサッティチルンチリクエッサラストゥブティオッカノーベンチオットェ。

  ぐらい。これを息しないで一気にいう。
  (なるべくまくし立てて、お腹から声をだしてリズムよく、できれば知ってるジェスチャー全部
   体中で表現しながら読んでください。)

   「およよ」っと思う。お互いの文章がどんどん長くなっていって最後には
   ダニエロはいつも席を立ってしまう。

    でも「チャオッ!!、マンマッ!!」って絶対挨拶は欠かさない。
   マンマは片手で机をたたき反動で手のひらを上に上げるポーズをして
   「なんてこったい」って顔をする。

   一分後ぐらいにダニエロの部屋から大声で歌ってる声が聞こえる。
  (ちなみにダニエロはイタリアでもロベルトベニー二の子役に間違えられたぐらい
   かわいい。レオンのころのナタリーポートマンに似ている)しかもメロディーはわりと元気よくて
   あまい歌。
   「あれっ、機嫌直ったのかな」って思う。
   マンマは「これ、ダニエロが歌ってるのよ、これダニエロよく歌うのよ」って
   困ってる顔のあとに、もうかわいくてたまんないって顔をする。

   まったく意味わかんないんですけど。

   ちなみに喧嘩の内容は私はまったく聞き取れない。マンマがいうには
  学校でいい子でいないからよっていうけど具体的にはなにをしてダニエロが
  おこられたのか不明。

   海が見えるバルコニーのビーチベッド(海の家によくあるやつ)にねころがりながら
  物思いにふけるマンマに

   「日本では子供の反応が怖かったりして、きちんとしからない親も増えていて
  コミュニケーションが足りなくて起こってしまう事件も多いから、きちんとぶつかり合うのは
  ヘルシーなきがして好きよ」ってことをいったら
  ベッドに横たわったマンマは誰かを抱きしめるようなジェスチャーをして
  「全部、愛よ。私があの子を思う気持ちで意見を伝えるの。シチリアのお母さんは
   強くて怖くて愛にあふれてるのよ」ってそれはもういい顔でぎゅぎゅっと
   ホールディングベイビーポーーズ。

  

   シチリアのマンマの愛についてでした。
   チャオ〜!